日本での書道クラスについて(パート3)

Posted by on Feb 20, 2017 in Blog, Caligrafía Japonesa | No Comments

     クラス3日目は、私たちの多くを魅了してる篆書体の番でした。でも私たちを強く魅惑している理由は一体何なのでしょう。はるか昔に起源をもつその神秘性からか、力強いその趣きからか、またそのシンプルな美しさからか、、、何れにせよ、これをマスターするのは簡単ではありません。存在している書道の書体としてもっとも古い篆書体の起源は、紀元前16~15頃とされています。その頃まだ物を書くための筆、また紙や絹といった台になる材料も存在していなかったため、亀の甲羅や動物の骨などに刻んだり、青銅器に彫ったりして文字を残していました。

     疋田先生は、まずご自分の本の写真などを使って、篆書の歴史について説明してくれました。その後、実際に、円を描く特徴的な篆書体の点画の始まり部分を書きながら説明してくれました。私たちは筆の動きとともに動く先生の体の動作をじっと観察しました。筆がまるで先生の体や感情の一部のように自然に動いているのを見ていると、催眠術にでもかかったような不思議なパワーを感じました。先生が説明し終わるとすぐ、皆、今教えて頂いた新しい動きを試そうと、一目散に自分の作業机に戻りました。それはまるで新しい踊りに挑戦する人たちのようでもありました。

偶然にもその日は篆書体を勉強する日だったので、疋田先生は彫刻家であり陶芸家でもあるロシオ(エスピラル・セラミカ)の隣に座りました。ロシオは先生に見てもらえたらと、スペインから色んな種類や大きさの印材に、自分で漢字を彫った印を持ってきていました。そしてその日、先生は篆書体を彫る篆刻(てんこく)を一からロシオに教えようと、必要な道具を手に彼女の横に座ってくれたのです。ロシオは既にスペイン、カナリア諸島のラス・パルマスの芸術学校で木材や石を使った彫刻を勉強していましたが、この篆刻は、例えば印刀の使い方も、外側から内側へ向けて彫り、今までのテクニックとは異なるものでした。しかし、最初は慣れないテクニックに手こずり、印刀を持つ手が摩擦で傷ついたりもしましたが、このテクニックは、支えの手を切ってしまうこともある以前の外側に彫るテクニックより安全だということに気づきました。そしてこのテクニックを身に着けることもできました。

疋田先生の忠実な弟子である中村さんは、クラスの日はいつもいらっしゃって先生のお手伝いをされていました。もちろん私たちのことも助けてくれました。中村さんの動きを見ていると、疋田先生へ対する強い憧れ、尽きることのない尊敬の念を持ってらっしゃると感じました。先生と中村さんの間には会話は必要なく、中村さんは先生が説明している時に先生の動きが止まらないよう注意を払い、阿吽の呼吸で半紙を置いたり、取ったりされてました。また私たちにもとても優しく接してくれ、中村さんの人柄が感じられました。

その日、クラスが終わった時、中村さんは私たち一人一人に書道の本をプレゼントしてくれました。中村さんは、ご自身も大学で書道を教えていらっしゃって、その本は実際に書道を専攻する大学生が使っている本だそうです。私たちが引き続き書道の勉強ができるよう、中村さんまで教材の心配をしてくださっていたとは、ほんとに驚きで、私たちは感謝の気持ちで一杯でした。帰りの電車の中、私たちは早速頂いた本を開いてみました。その中は、書道の各書体の説明はもちろんのこと、書道の歴史、歴史的に有名な書家について、中国の古典作品を使った点画の説明、そして、仮名書道の解説も詳しく載っていました。さらに、篆刻の仕方も、あるテクニックを例に挙げて写真付きで丁寧に説明してあり、とても充実した内容の教科書といえます。少なくても1年はこの本で勉強できそうです!

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